運送業の営業所の立地

運送業・物流専門 行政書士
運送業・物流専門 行政書士

運送業物流業サポートGFAいけやま行政書士事務所

運送業の営業所の立地について

建物を建てる時には様々な法令上の制限があります。
既に建てられた建物を賃借する場合でも同様に使用用途の制限があります。
それに加え貨物運送事業では業務を適切に行えるよう広さや直ぐに退去することの無い様に使用権原が求められます。
このページでは営業所の立地に関する解説をしています。
土地建物法令上の制限

 

物流施設法令

 

 

営業所の立地

許可要件の営業所立地をしりたい相談者

 

法律に抵触しない?どんな場所なら営業が出来るか難しいです。

 

貨物自動車運送事業の許可を受けるには、都市計画法建築基準法消防法農地法等関係法令に抵触しない立地でなければなりません。

この基準を満たすことが、許可を取得する上では非常に大きなウエイトを占めます。
私も、新たな拠点を開設する際に幾度となくこの条件にぶつかりました。
法令に適合する賃借物件を探すのはとても難しく、新たに開発するには時間と資金を準備する必要があります。
例えば、ご自身の住居の一室を事務所にできるんだろうか?市街化調整区域で格安物件を紹介されたが、大丈夫なの?

これらの法令上の制限は、貨物自動車運送事業法ではなくそれぞれの法律の制限規制です。
例えば、農地法違反だと最悪300万円以下の罰金(法人1億)です。
他の法令も少なくとも原状回復や撤去、立ち退きがあります。
私の経験で、賃貸していた物件で行政に通報があり移転を余儀なくされた経験があります。
営業所の立地についてお困りの方はご相談下さい。

用途地域による建築物の用途制限

用途地域が指定されている地域等においては、建物の用途の制限とあわせて、建物の建て方のルールが定められています。これによって、土地利用に応じた環境の確保が図られるようになっています。

           兼用住宅

床面積
150㎡以下

床面積
150㎡を超
500㎡以下

床面積
500㎡を超
1,500㎡以下

床面積
1,500㎡を超
3,000㎡以下

床面積
3,000㎡を超

第一種低層住居専用地域

非住居の床面積が50㎡以下かつ
建築物の床面積の1/2以下
※確認が必要

× × × × ×
第二種低層住居専用地域 × × × × ×
第一種中高層住居専用地域 × × × × ×
第二種中高層住居専用地域 ▲2階以下 ▲2階以下 ▲2階以下 × ×
第一種住居地域 ×
第二種住居地域
準住居地域
田園住居地域 × × × × ×
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域 ×

市街化調整区域

都市計画では、無秩序にまちが広がらないように、一定のルールに基づいて建物の建築などを制限しています。具体的には都市計画区域を2つに区分して、すでに市街地になっている区域や計画的に市街地にしていく区域(市街化区域)と、市街化をおさえる区域(市街化調整区域)を定めます。(区分を定めることを「線引き」と言います。)

原則、市街化を抑制する地域のため新たに開発行為をおこなうことは大幅に制限されています。
幹線道路の沿道等における流通業務施設、既存の宅地における開発行為又は建築行為等、知事の許可があった場合に限られます。

 

市街化区域・市街化焼成区域
国土交通省HP土地利用計画制度の概要より引用
みらいに向けたまちづくりのために

 

市街化調整区域内の物件

市街化調整区域の物件は要注意です。
市街化調整区域で見かける格安の倉庫。
周りは田んぼなのにポツンと…

この場合、どの基準の許可で開発したのかによって一般貨物の営業所に出来ない場合があります。
例えば、農業用倉庫で開発許可を受けた物件では、その個人が自己の業務として利用する場合としてなどの制限がかかります。
許可された用途と違う用途で使用する場合は、用途変更や再度の開発許可を申請しなければいけませんが、非常にハードルが高いのでとても厳しいのが現実です。
何ら建築行為が無くても使用する方が変わるだけで用途変更の許可が必要になる場合もあります。

 

都市計画法42条但し書き許可

(開発許可を受けた土地における建築等の制限)
第42条 何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、第36条第3項の公告があつた後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。ただし、都道府県知事が当該開発区域における利便の増進上若しくは開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、又は建築物及び第一種特定工作物で建築基準法第八十八条第二項の政令で指定する工作物に該当するものにあつては、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この限りでない。

 

調整区域で物件を決める際には関係行政庁に確認するか専門家に依頼することをおすすめします。

 

既存宅地とは

市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるので、建築が厳しく規制されています。
具体的には、市街化調整区域内で建築を行なうことができるのは次の3つのケースである(都市計画法第43条第1項)。

1.開発許可を受けて、その開発許可に適合する建築を行なう場合
2.建築許可が不要な建築を行なう場合
3.建築許可を受けた場合

しかし(平成13年5月18日より前には、市街化調整区域内であっても一定の条件を満たす土地であれば、建築許可を受けないで建築をすることが広く認められるという制度が存在していました。(旧法)
これが「既存宅地」の制度である(旧都市計画法43条1項6号)。

 

既存宅地の制度とは次の条件のすべてを満たす宅地については、建築許可を受けなくとも、建築物の新築・改築・用途変更を一定の範囲内で認めるという制度であった。

 

1)市街化区域に隣接している地域内の土地であること
2)おおむね50戸以上の建築物が立ち並んでいる地域内の土地であること
3)市街化調整区域に編入された際にすでに宅地であったこと
4)3)について知事の確認を受けたこと

このような知事の確認を受けた既存宅地については、比較的自由に建築を行なうことができました。

 

しかし、平成13年5月18日に都市計画法が改正・施行されたことにより、こうした既存宅地の制度は、5年間の経過措置で終了しています。

 

ただし「自己の居住または業務を行なうことを目的としない建築行為」については、経過措置の対象にならないので、原則通り建築許可を取得することが必要となっています。

 

トレーラーハウス情報

トレーラーハウスは建築物とみなされないため、都市計画法等の規制を受けないで営業所を設置する方法です。
建築物とみなされないためには、常時移動が可能であることが必要で電気水道等の配管が容易に脱着出来るなどの要件に適合する必要があります。
設置しようとする場合は事前に、市町村などの建設行政に確認をする必要があります。
行政によっては、永続的に使用する事務所等には使用出来ないとの見解を示す場合もあります。

 

トレーラーハウスの情報が知りたい方は以下のURLから
https://www.landpia.co.jp/trailer-houses/

農地法

農地法は、農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であるため農地の権利移転、転用、転用目的権利移動を規制しています。

 

農地かどうかの判定は、登記記録の地目によって判定されるのではなく、耕作の目的に供しているかによって現況で判断されます。
休耕田でも農地に当たるので注意が必要です。
農地かどうか判然としない場合や農地の所有者と耕作者が異なる場合など農業委員会に確認する必要があります。

 

また、現況が宅地でも、登記記録上の地目が田や畑の場合には農地転用が必要です。
農地転用後でなければ、運送業許可書は交付されません

 

なお、農地法とは別に現況証明という行政サービスがあり長い間建物が建っていた場合など農転をしなくても地目変更が出来る場合がありますが市区町村によって条件は異なります。車庫地など、単に均しただけの土地は農地への復元可能と判断される場合が多いです。

 

農地転用がされていない状況で地目変更登記を法務局に申請しても農業委員会へ確認が入ります。

 

農地転用

農地に関する法律として『農地法』があり、条文には以下の通り農地以外の利用が規制されており、無断転用には罰則があります。

 

農地法1条(目的)

この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もつて国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。

 

農地転用
農林水産省HPから引用

 

農地法の許可制限

農地の規制は、以下の内容になり、許可又は届出が必要になります。

3条許可
権利移転

農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。

4条許可
自己使用目的転用

農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

5条許可
権利移転・目的転用

農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。

許可・届出及び権者

市街化区域 市街化調整区域
3条 農業委員会許可 農業委員会許可
4条 農業委員会届出 知事許可
5条 農業委員会届出 知事許可

3条許可が不要となる例
・抵当権設定※抵当権実行時は必要
・相続 ※10か月以内に農業委員会に届出が必要
・山林・原野を取得して農地にする場合

 

農地転用の許可基準として農地の種類ごとの立地基準と一般基準が設けられています。

 

立地基準
農業振興地域内農地

市町村が定める農業振興地域
整備計画において農用地区内とされた区域内の農地

原則不許可
甲種農地

市街化調整区域内の
農業公共投資後8年以内の農地
集団農地で高性能農業機械での営農可能農地

原則不許可
例外あり

第1種農地

集団農地(10h以上)
農業公共投資対象農地
生産力の高い農地

原則不許可
例外あり

第2種農地

生産力の低い農地
市街地として発展する可能性がある

第3種農地に設置困難な場合等に許可
第3種農地

都市的整備がされた区域内の農地
市街地にある農地

原則許可

第3種農地以外は原則厳しい条件となり、農用地は農振除外申請が必要になってきます。

 

一般基準

周辺の農地に支障が生じるおそれがある場合は許可がおりません。

 

物流総合効率化法

物流総合効率化法に基づく総合効率化総合効率化計画の認定を受けると、各種支援措置の適用が受けられます。

 

  • 2以上の者が連携すること
  • 流通業務を一体的に実施すること
  • 輸送の合理化を行うことにより、流通業務を効率化すること
  • 環境負荷の低減に資するとともに、流通業務の省力化を伴うものであること

主な支援措置

開発許可に関する配慮
市街化調整区域において物流施設等の開発を行う場合、開発許可を得る必要がありますが、これについて配慮がなされます。

 

物流拠点施設に関する税制特例

所得税・法人税 倉庫用建物等5年間10%の割増償却
固定資産税・都市計画税 倉庫 課税標準を5年間1/2に軽減
固定資産税 付属機械設備 課税標準を5年間3/4に軽減

 

対応エリア

運送業許可 対応エリア

愛知県、岐阜県、三重県、静岡県。名古屋市、北名古屋市、清須市、豊山町、稲沢市、春日井市、小牧市、一宮市、江南市、犬山市、大口町、扶桑町、岩倉市、津島市、愛西市、蟹江町、弥富市、瀬戸市、日進市、三好市の事務所近郊の尾張から、知多市、半田市、大府市、常滑市の知多方面、豊田市岡崎市、安城市、刈谷市、豊明市、西尾市、知立市の西三河から豊橋市、豊川市、田原市の東三河まで愛知県全域、岐阜県(岐阜市、大垣市、美濃加茂市、各務原市、可児市、多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市、加茂郡など西濃、東濃)、三重県(桑名市、鈴鹿市、四日市市)の東海三県。浜松市、湖西市。その他可能な限り中部運輸局管轄を対応させていただきます。

関東運輸局、近畿運輸局、広島運輸局管内の対応実績有り。

 

コンサルティング 対応エリア

全国:北海道、青森、岩手、宮城、福島、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、新潟、富山、石川、福井、滋賀、京都、大阪、奈良、三重、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、島根、鳥取、香川、愛媛、高知、徳島、福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本、佐賀、長崎、沖縄