トラック運送業者に対する監査による行政処分は、平成24年に関越自動車道で発生したツアーバスの重大事故により、平成25年より強化されています。悪質、重大な法令違反に対する行政処分が厳格化され、重要な法令違反に対しては、即時事業停止となり、あわせて、適正化実施機関による巡回指導についても速報制度が導入されています。
また、行政処分による車両停止処分は最大5割、過労防止関連違反も厳しくなり、巡回指導のE評価事業者に対しても速報の対象、社会保険料の未納についても行政処分の対象となっています。
このページでは、監査の詳細を解説しています。

 

運輸局の監査・行政処分の流れ

運輸局によるトラック運送事業者への監査は、輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いがある事業者から優先的に実施するほか、社会的影響が大きい事故又は違反が発生した場合には速やかに実施されます。

 

特別監査

引き起こした事故又は疑いのある法令違反の重大性に鑑み、厳格な対応が必要と認められる事業者に対して、全般的な法令遵守状況を確認する監査を特別監査とする。

一般監査

特別監査に該当しないものであって、監査を実施する端緒に応じた重点事項を定めて法令遵守状況を 確認する監査を一般監査とする。

 

監査・処分の流れ

監査が行われると以下の様な流れで処分等がされていきます。
トラック監査・処分の流れ

 

 

「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表」

 

行政処分は、違反事由によって取消処分、事業の停止処分、自動車等の使用停止処分、運行管理者証返納処分などが行なわれます。
また、違反があっても必ず行政処分があるわけでは無く行政指導で終わる事もあります。
その場合でも警告以上は国土交通省のHPで掲載があります。

 

行政処分ネガティブ情報

 

 

監査の端緒

 

死亡事故(第1当)
悪質違反 酒気帯び・無免許・救護義務違反等
関係機関からの通報 労基通報
最高速度違反
駐停車違反
その他
法令違反の疑い 適正化機関からの情報
利用者等からの情報
その他
巡回指導拒否
新規許可・事業規模拡大
長期監査未実施
フォローアップ
街頭監査
その他

 

 

 

運行管理者資格者証の返納命令基準

運行管理者資格者証の返納命令基準

 

事後監査における確認事項

  • 運行管理の実施状況
  • 運行管理体制の整備状況
  • 点呼の実施状況
  • 労働時間に係る基準の遵守状況
  • 運転者の選任状況
  • 運転者の指導監督状況
  • 事故の記録・保存状況等
  • 事業計画の遵守状況
  • 運賃・料金の収受状況その他の財務状況
  • 損害賠償責任保険の加入状況
  • 点検整備の実施状況等
  • 前回実施された監査等において特に改善を指示した事項の改善状況等

監査処分後、再度の確認監査が行われ違法項目があれば再処分になります。
処分は再違反になると重たくなり、最終的に改善できなければ許可の取消し処分もあり得ます。

 

運輸局の監査と適正化実施機関の巡回指導の違い

適正化実施機関が行う巡回指導を監査と思っている事業者もいますが大きく違っています。

 

運輸局の監査 適正化実施機関の巡回指導
原則無通告 1カ月前に通告※実際は2週間程度

具体的な違反事項があった事業者や違法性の疑いのある事業者に対して、運輸支局の監査官が営業所に立ち入るなどして、輸送の安全確保に関する法令が遵守されているかを調査。

巡回指導は、地方適正化実施機関がトラック運送事業者に対して行う法令遵守状況の確認と指導のこと。巡回指導では、帳票類を調査して輸送の安全確保に関する法令順守状況を確認し改善指導等を行う。

法令違反があった場合は行政処分を行う。 改善指導等を行う。

 

巡回指導は、短時間での調査ですが、運輸局の監査は1日以上かけて行われるため、巡回指導でA評価であっても指摘・処分になる場合もあります。
例えば、運転者台帳の記入すべき欄が空白であっただけでも是正です。
また、場合によって監査は、1日で終わらず数日かけて行われます。

適正化実施機関による巡回指導

適正化実施機関とは

トラック協会による、トラックにおける適正化事業は、平成2年物流2法の一つである貨物自動車運送事業法が施行されたところまで遡ります。同法に基づいて貨物自動車運送適正化実施機関が創設されました。
平成5年には運輸安全マネジメントの導入や監査の強化、運行管理制度の三位一体の安全対策に力を入れています。

貨物自動車運送事業法には以下のように規定されています。

冒頭説明したように事業用自動車の重大事故により監査制度が改正され、適正化実施機関による巡回指導も悪質なトラック運送事業者対しては厳しい措置が行われます。

 

適正化事業

 

巡回指導員とは

研修を受けた適正化実施機関の指導員により巡回指導が行われます。
この研修は全国適正化実施機関によりラック事業者にアドバイス経営・業務相談を行えるよう年2回実施されています。研修には初級研修、専門研修と指導実務に即したより実践的かつ専門的な知識を身につけています。
巡回指導員は、430名程が地方適正化実施機関に配置され年間2万5千件を超える巡回指導を行っています。

 

巡回指導で指摘されたらダメなのか?

巡回指導、法令遵守の健康診断です。この機会に指摘してもらうことで法改正の確認や法令遵守の適正運営をすることが出来ます。
ただし、運行管理者がいないなど悪質な違反については速報制度があり監査の対象となります。

 

巡回指導総合評価点
A B

適否
適の割合

90%以上

80%以上
90%未満

70%以上
80%未満

60%以上
70%未満

60%未満

 

速やかに運輸支局へ通報
点呼を全く行っていない

①点呼の実施記録が全く保存されていない
②点呼の実施記録に係る帳簿に記録が全くされていない

運行管理者・整備管理者が全くいない

①選任されている運行管理者が全くいない
②選任されている整備管理者が全くいない

定期点検を全く行っていない

①定期点検記録簿が全く保存されていない
②定期点検記録簿に記録が全くされていない

総合評価がEで、特定違反項目に未改善がある、または改善報告がない

巡回指導総合評価がEで改善報告に点呼実施不適切
過労防止措置不適切運転者2名以上健康診断未受診
いずれも未改善項目がある、またはいずれも改善報告がない

定期的に運輸支局へ通報

①総合評価がD・Eで3か月以内に適正化実施機関に対し改善報告が行われない営業所
②総合評価が3回連続してⅮまたはEとなった営業所
③巡回指導を拒否した営業所
④社会保険未加入の営業所

 

運輸支局との定期会議で相談

①名義貸し、白トラ利用等悪質であるが、構成要件該当性の判断が困難な法令違反について疑いが認められる営業所
②記録の改ざんが疑われる営業所等
※疑いが高い場合は即相談

 

巡回指導で指摘される原因

  • 点呼簿、日報、点呼記録簿、教育記録簿など備えるべき帳票が多すぎる
  • 法律を知らなかったり理解していないなど事業者に知識が欠如している。
  • 法律より運ぶ事を優先してしまう事業者の法令遵守意識の欠如。
  • 運転手や管理者の人手不足
  • 点検、健康診断、講師依頼などの実施にともなうスト増。
  • 荷主の過度な要請や時間指定など自社のみでは対応出来ない案件。

これらは、事業者側の意見でもありますが事業を営む以上は法令遵守しなければなりません。
しかし、運送事業者で解決できない荷主側に原因がある場合もあります。
トラック運送事業者が処分を受けた場合、荷主も規制する荷主勧告制度があります。

 

地方適正化実施機関の苦情対応

巡回指導以外にも地方適正化実施機関の役割の一つに苦情の対応があります。
以下は、貨物自動車運送事業法の条文です。

(苦情の解決)

 

第三十九条の二 地方実施機関は、貨物自動車運送事業者又は荷主から貨物自動車運送事業に関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、当該苦情に係る事情を調査するとともに、当該申出の対象となった貨物自動車運送事業者に対し当該苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 地方実施機関は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該申出の対象となった貨物自動車運送事業者に対し、文書若しくは口頭による説明又は資料の提出を求めることができる。
3 貨物自動車運送事業者は、地方実施機関から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 地方実施機関は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について貨物自動車運送事業者に周知させなければならない。

 

監査で行政処分を受けると出来なくなること

「自動車運送事業監査規則」「自動車運送事業の監査方針」により監査が行われ、法に定められた事項に違反する場合には、「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」により行政処分が行われます。
ここでは、トラック運送事業者に対する自動車運送事業の監査方針について解説します。

 

事業の拡大を伴う事業計画変更の制限

処分を受けることがなくなった日以降6カ月間(悪質な違反の場合は1年間)

  1. 営業所や車庫の新設、増設(収容能力の拡大)
  2. 増車
  3. 行政処分を受けた営業所の車両を他の営業所や密接な関係のある法人等へ移動する事

 

認可申請の制限には、行政処分を受けていなくても申請日前3ヶ月間又は申請日以降に、当該申請に係る営業所に関して、自らの責による重大事故を発生させていないこと。となっている。

 

行政処分の種類

行政処分は軽微なものから順に以下のとおり。

  1. 自動車その他の輸送施設の使用停止処分
  2. 事業の全部又は一部の停止処分
  3. 許可取消処分

行政処分に至らないものは、軽微なものから順に、勧告警告がある

 

行政処分の用語

初違反

違反を確認した日から過去3年以内に同一営業所において同一の違反による行政処分等がない場合における違反。

 

再違反

違反を確認した日から過去3年以内に同一営業所において同一の違反による行政処分等を1度受けている場合の違反。ただし、過積載による運送の引受けに係る違反行為の場合は、当該過積載違反を行った日から過去3年以内に同一営業所において過積載違反を1度行っている場合の当該過積載違反をいう。

 

累違反

違反を確認した日から過去3年以内に同一営業所において同一違反による行政処分等を2度以上受けている場合の違反。ただし、過積載違反の場合は、当該過積載違反を行った日から過去3年以内に同一営業所において過積載違反を2度以上行っている場合の当該過積載違反をいう。

 

 

行政処分日数

違反行為ごとの日車数及び勧告又は警告の区分

 

貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表

 

 

別表中に累違反の基準日車等の定めがない事項に係る累違反の基準日車等は、再違反の基準日車等が警告である事項にあっては警告それ以外の事項にあっては再違反の2倍の日車数として扱われる。

 

また、行政処分等について加重又は軽減する場合その他必要と認められる場合は、地方運輸局に置く貨物自動車運送事業関係行政処分審査委員会の議に付される。

 

なお、行政処分等(許可の取消処分を除く。)を行う場合は、原則として事業者を運輸支局又は地方運輸局に呼び出して事業の改善について指導するとともに、その状況について、行政処分等を行った日から原則3月以内に報告を行うよう措置が行われる。

 

 

行政処分日数の加重

加重することができるとされている場合

  1.  違反行為若しくはこれを証するものを隠滅し、又は隠滅したと疑うに足りる相当の理由が認められる場合の当該違反行為
  2.  違反行為が救護義務違反酒酔い運転薬物等使用運転妨害運転無免許運転酒気帯び運転過労運転大型自動車等無資格運転無車検運行その他悪質と認められる行為に係る違反行為
  3. 違反事実又は違反に伴い引き起こした事故等が社会的影響のあるものである場合

日車数等の加重を行う場合は、日車数についてはその2倍を上回らない日車数に、勧告については警告に、警告については10日車に加重。ただし、貨物自動車運送事業関係行政処分審査委員会の議を経た後、本省自動車局安全政策課及び貨物課に稟伺した場合は、この限りではない。としています。

 

行政処分日数の軽減

輸送の安全確保義務違反(初違反であり、基準日車等が10日車以下、勧告又は警告とされているものに限る。)について、違反行為を防止するために相当の注意及び監督が尽くされたことの証明があった場合又は乗務員に対
する輸送の安全に関する訓示及び関係法令の遵守に関する指導の実施状況、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が行う安全性評価事業による安全性優良事業所への認定の有無その他の事実関係から総合的に判断して、違反行
為を行った事業者が運行管理及び車両管理を概ね適切に行っていたと認められる場合は、日車数等を軽減することができる。

 

日車数の軽減を行う場合は、10日車については警告に、警告については勧告に軽減するものとする。

 

処分日数の軽減はGマークを取得するメリットの一つです。

 

その他

複数の過積載違反がある場合の処分日車数の算出においては、これらの違反行為は一の違反行為として扱い、当該違反行為の日車数は、これらの違反行為の日車数の合計となります。

 

貨物軽自動車運送事業者に係る違反行為の日車数等の決定も準用されます。

 

 

行政処分による車両停止

自動車等の使用停止処分は、原則として、違反営業所等に所属する事業用自動車について、処分日車数に基づき6月以内の期間を定めて使用の停止を行う。
車両の停止は、所属する事業用自動車の5割を超えないものとする。としています。

 

けん引車の場合

処分車両数の算出において、けん引車及び被けん引車については、合計して1両と算出して取り扱うこととした上で、けん引車を基準として処分車両数に算入するものとする。
ただし、けん引車の数が被けん引車の数より多い場合における被けん引車の扱いについては、使用停止処分の対象とするけん引車の数にかかわらず、被けん引車の数の5割を限度とする。

 

 

ナンバープレートは領地される(ナンバーを外し持参。運輸局で保管される)
違反営業所に所属する事業用トラックの数 (5割まで)
~10両 11両~20両 21両~30両 31両~
~10日車 1 1 1 1
11~30日車 1 2 2 2
31~60日車 1 2 3 3
61~80日車 2 3 4 5
81日車以上

Y+(x-80)÷10 
Y:処分車両数 30両以下61~80日車 31両以上8 x:処分日数

 

例:120日車 8+(120-80)÷10=12両
120÷12=10日車 12両が10日間の車両停止

 

停止対象事業用自動車の指定

停止対象事業用自動車の指定は、①、②、③の順に該当する車両を指定するものとする。

  1. 違反事業者の違反営業所等の違反車両
  2. 違反事業者の違反営業所等の違反車両と初度登録年月及び最大積載量が同等の車両
  3. 違反事業者の違反営業所等の配置車両のうち、行政処分の実効性が確保できるものとして、地方運輸局に置く貨物自動車運送事業関係行政処分審査委員会で決定した車両

停止となる車両は、事業者が指定できません。

 

違反点数制度

違反点数は処分日車数10日車までごとに1点です
違反点数は、事業者ごとに、管轄区域単位で累計し、当該営業所を管轄する地方運輸局において管理を行われる。

 

違反点数の累計

違反点数の累計期間は3年間です。
行政処分を行った日(行政処分を行うべく決裁等を行った日。)から3年を経過する日をもって違反点数は消滅します。ただし、行政処分を受けた営業所が、次の①から④までのいずれにも該当する場合にあっては、当該行政処分を行った日から2年を経過する日をもって、違反点数は消滅します。

 

  1. 行政処分を行った日以前の2年間において行政処分を受けていない、又は当該行政処分に係る違反行為を行った日においてGマーク認定されている。
  2. 行政処分を行った日から2年間、行政処分を受けていない。
  3. 行政処分を行った日から2年間、自動車事故報告規則に規定する事故(事業者の運転者又は特定自動運行保安員)が第一当事者と推定されるものに限る。)を引き起こしていない。
  4. 行政処分を行った日から2年間、救護義務違反、酒酔い運転、薬物等使用運転、妨害運転、無免許運転、酒気帯び運転、過労運転、又は大型自動車等無資格運転がない。

違反点数累計の短縮もGマーク取得のメリットです

トラック運送事業者の事業停止処分

該当すると事業停止処分になる項目

1項目ごとに30日が加算される
ただし、⑤に該当したことに伴って②に該当する場合は合わせて30日。
(運行管理者が選任されていなければ、当然に点呼も実施出来ない)

  1. 乗務時間の基準に著しく違反した
  2. 全運転者に対して点呼をまったく実施していない
  3. 営業所に配置している全ての事業用自動車について、定期点検整備をまったく実施していない
  4. 整備管理者を選任していない
  5. 運行管理者をまったく選任していない
  6. 名義を他人に使用させていた
  7. 事業の貸渡しを行っていた
  8. 監査の拒否、忌避、妨げ、陳述の拒否、虚偽の陳述のいずれかを行った

 

累積違反点数による事業停止

 

累積違反点数

事業停止処分を行う場合 処分対象営業所
一の管轄区域に係る違反点数の累計30点以下の事業者について、違反営業所等に270日車以上の処分日車数を付された場合 当該違反営業所等

一の管轄区域に係る累積点数が31点以上の事業
者について、違反営業所等に180日車以上の処
分日車数を付された場合

当該違反営業所等

違反点数の付与により、一の管轄区域に係る累積
点数が51点以上80点以下となった場合

当該違反営業所等の所在する管轄区域内の全ての営業所

 

事業停止日数

処分日車数

179日車
以下

180日車

269日車

270日車

359日車

360日車

499日車

500日車
以上

①の営業所 3日 7日 14日
②の営業所 3日 7日 14日
③の営業所 3日

 

事業停止処分を行うことが、住民生活又は経済活動に著しい支障を及ぼすと認められる場合は、これらの規定にかかわらず、必要最小限の事業用自動車に限り使用を認めることができる。との規定があります。

 

処分日車に事業停止が付加される場合

車両の停止処分に加え事業停止が付加される場合があります。

14日間の事業停止

①及び②のいずれにも該当

  1. 事業用自動車の運転者※が、酒酔い運転酒気帯び運転又は薬物等使用運転を行った場合(※選任運転者に限らず、事業用自動車を運転した者をいう。)
  2. 事業者又は当該違反営業所に選任された運行管理者(事業主等)が①の違反行為を命じ、又は容認していたとして都道府県公安委員会から道路交通法通知等があった場合

 

7日間の事業停止

①及び②のいずれにも該当

  1. 事業用自動車の運転者が、過労運転無免許運転大型自動車等無資格運転過積載運行又は最高速度違反行為を行った場合
  2. 事業者等が①の違反行為を命じ、又は容認していたとして都道府県公安委員会から道路交通法通知等があった場合

①及び②のいずれにも該当

  1. 事業用自動車の運転者が、救護義務違反酒酔い運転薬物等使用運転妨害運転又は酒気帯び運転を伴う重大事故等自動車事故報告規則第2条第3号に規定する事故又は20人以上の軽傷者を生じた事故(当該運転者が第一当事者と推定されるものに限る。)をいう。以下同じ。)を引き起こしたとして都道府県公安委員会から道路交通法通知等があった場合
  2. 事業者等が①の違反行為に係る指導及び監督を明らかに実施していない場合

 

3日間の事業停止

 

①及び②のいずれにも該当

  1. 事業用自動車の運転者が、過労運転無免許運転大型自動車等無資格運転又は最高速度違反行為(超過速度が30km/h以上(高速自動車国道及び自動車専用道路においては、40km/h以上)のものに限る。)を伴う重大事故等を引き起こしたとして都道府県公安委員会から道路交通法通知等があった場合
  2. 事業者が①の違反行為に係る指導及び監督を明らかに実施していない場合

①及び②のいずれにも該当

  1. 事業用自動車の運転者が、救護義務違反酒酔い運転薬物等使用運転妨害運転又は酒気帯び運転を行ったとして都道府県公安委員会から道路交通法通知等があった場合
  2. 事業者等が①の違反行為に係る指導及び監督を明らかに実施していない場合

 

原則として、土曜日、日曜日、祝日、休日その他当該処分を受ける事業者が通常事業活動を行っていない日を含まないよう事業停止期間を設定する。とされています。

 

道路交通法通知等とは

  1. 道路交通法第22条の2第2項(第66条の2第2項準用含む)の規定に基づく協議(最高速度違反・過労運転に係る車両の使用者に対する指示)
  2. 道路交通法第75条第3項(第75条の2第3項準用含む)の規定に基づく意見聴取(下命・容認)
  3. 道路交通法第108条の34の規定に基づく通知

トラック運送事業者の許可の取消処分

許可の取消し処分

最も重い行政処分である許可の取消し処分についてです。

事業停止処分関係

 事業停止処分を過去2年間に3回受けていた事業者が、表①から③までのいずれかに該当することとなった場合

事業停止処分を行う場合
一の管轄区域に係る違反点数の累計が30点以下の事業者について、違反営業所等に270日車以上の処分日車数を付された場合
一の管轄区域に係る累積点数が31点以上の事業者について、違反営業所等に180日車以上の処分日車数を付された場合
違反点数の付与により、一の管轄区域に係る累積点数が51点以上80点以下となった場合

違反点数累計の上限到達

 違反点数の付与により、一の管轄区域に係る累積点数が81点以上となった場合。

 

ナンバープレート返納命令違反

 自動車等の使用停止処分若しくは事業停止処分又は自動車検査証の返納の命令若しくは自動車の登録番号標の領置の命令に違反した場合。

 

事業停止処分の再違反

事業停止処分を受けた事業者が、当該行政処分を受けた日から3年以内に同一の違反をした場合。

 

命令に従わなかった場合

次に掲げる命令に従わず行政処分を受けた事業者が、行政処分を受けた日から3年以内に同じ命令を受け、かつ、当該命令に従わなかった場合。

  • 事業計画に従い業務を行うべき命令
  • 安全管理規程の変更命令
  • 安全統括管理者の解任命令
  • 輸送の安全確保の命令
  • 公衆の利便を阻害する行為等の停止の命令
  • 事業改善の命令
  • 道路運送法規定する運送に関する命令

 

旅客運送行為

 道路運送法第の規定に違反して有償で旅客運送を行い、かつ、反復的又は計画的なものと認められて自動車等の使用停止処分を受けた事業者が、当該行政処分を受けた日から3年以内に同一の違反をした場合。

 

いわゆる白バス、白タク行為です。

 

経営許可条件違反

事業の許可に付した条件(運輸開始の期限に限る。)に違反して運輸の開始を行わず行政処分等を受けた事業者が、当該行政処分等を受けた後も運輸の開始を行わない場合。

 

所在不明

 所在不明事業者であって、相当の期間事業を行っていないと認められる場合。

 

欠格事由

欠格事由に該当するに至った場合。

 

輸送の安全確保命令違反

輸送の安全確保命令を命じられた事業者が、当該命令に従わなかった場合。
確保命令通達に該当したことにより輸送の安全確保命令を命じられた事業者が、当該命令に従わなかった場合。

 

行政処分歴の扱い

行政処分は、合併、相続、事業譲渡等があった場合も引き継がれていきます。

  1. 事業者たる法人の合併又は相続があった場合、合併前の法人又は被相続人が受けた行政処分は、合併後の法人又は相続人が受けたものとして取り扱うものとする。
  2. 事業者たる法人の分割又は事業の全部若しくは一部の譲渡により、運送事業の全部又は一部の承継があった場合、分割前の法人又は譲渡人が受けた行政処分は、分割により承継した法人又は譲渡人及び譲受人(これらの者のうち、運送事業を廃止したものを除く。)が受けたものとして取り扱うものとする。

 

行政処分状況の年度別推移

年度 監査事業者数 行政処分等件数
許可取消 事業停止 車両の使用停止 小計 勧告・警告等 合計
H14 4,544 44 8 1,892 81,813 1,944 462 2,406
H15 4,918 4 19 1,908 100,559 1,931 736 2,667
H16 5,433 5 19 1,869 115,580 1,893 811 2,704
H17 5,139 2 31 1,605 102,874 1,638 721 2,359
H18 4,752 10 36 1,383 106,695 1,429 446 1,875
H19 5,246 57 57 1,163 94,210 1,277 335 1,612
H20 5,531 41 58 1,149 102,608 1,248 437 1,685
H21 6,948 45 74 1,260 102,959 1,379 924 2,303
H22 6,369 27 64 1,375 106,710 1,466 223 1,689
H23 7,035 26 97 1,440 119,335 1,563 207 1,770
H24 7,107 66 52 1,327 106,050 1,445 148 1,593
H25 7,507 12 46 1,303 82,519 1,361 178 1,539
H26 7,148 29 6 1,499 67,438 1,534 506 2,040
H27 7,016 21 10 1,493 62,782 1,524 432 1,956
H28 6,036 41 21 1,222 52,101 1,284 272 1,556
H29 6,329 27 40 1,320 64,660 1,387 302 1,689
H30 5,003 44 36 1,033 50,105 1,113 248 1,361
R1 5,149 11 26 869 59,679 906 149 1,055
R2 3,677 5 28 598 39,067 631 138 769
R3 4,028 34 27 593 37,214 654 155 809
R4 3,870 34 22 523 33,889 579 134 713

 

国土交通省 自動車総合安全情報より集計

対応エリア

運送業許可 対応エリア

愛知県、岐阜県、三重県、静岡県。名古屋市、北名古屋市、清須市、豊山町、稲沢市、春日井市、小牧市、一宮市、江南市、犬山市、大口町、扶桑町、岩倉市、津島市、愛西市、蟹江町、弥富市、瀬戸市、日進市、三好市の事務所近郊の尾張から、知多市、半田市、大府市、常滑市の知多方面、豊田市岡崎市、安城市、刈谷市、豊明市、西尾市、知立市の西三河から豊橋市、豊川市、田原市の東三河まで愛知県全域、岐阜県(岐阜市、大垣市、美濃加茂市、各務原市、可児市、多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市、加茂郡など西濃、東濃)、三重県(桑名市、鈴鹿市、四日市市)の東海三県。浜松市、湖西市。その他可能な限り中部運輸局管轄を対応させていただきます。

関東運輸局、近畿運輸局、広島運輸局管内の対応実績有り。

 

コンサルティング 対応エリア

全国:北海道、青森、岩手、宮城、福島、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、新潟、富山、石川、福井、滋賀、京都、大阪、奈良、三重、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、島根、鳥取、香川、愛媛、高知、徳島、福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本、佐賀、長崎、沖縄