貨物利用運送事業の行政処分・監査

運送業・物流専門 行政書士
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貨物利用運送事業の行政処分

行政処分の種類は、軽微なものから順に、事業の全部又は一部の停止及び登録又は許可の取消しです。
これに至らないものは行政指導として、その種類は、軽微なものから順に、口頭注意文書勧告及び文書警告があります。
行政処分は、原則として行政指導を前置きして行われ、また、悪質な場合等違反の態様によっては、直ちに行政処分を行うものとしています。なお、悪質な場合は、処分等の基準にある「再違反」の扱いになります。

 

また、「再違反」の場合であって、かつ、次に掲げる事項のいずれかに該当する場合は、当該違反事実に係る「再違反」欄の規定よりも重い行政処分等を行うことができるものとする。としています。

  1. 違反事実若しくはこれを証するものを隠滅し、又は隠滅したと疑うに足りる相当の理由が認められる場合
  2. 違反事実が原因となって社会的影響のある事件を引き起こした場合又は違反事実が社会的影響のある事件に重大な関係があると認められる場合

第一種貨物利用運送事業関係

内容 罰則 再違反

変更登録違反
 利用運送機関の種類 利用運送の区域又は区間
 業務の範囲

50万円以下の罰金

6日間事業停止
又は
12日間事業停止

登録事項の変更届出違反
 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名 主たる事務所その他の営業所の名称及び所在地
 事業の経営上使用する商号があるときはその商号

50万円以下の過料 1日間事業停止
利用運送約款の認可違反 100万円以下の罰金 6日間事業停止

掲示事項の無掲示又は虚偽の掲示
 第一種貨物利用運送事業者である旨、利用運送機関の種類、
 消費者対象の運賃及び料金、利用運送約款、 利用運送の区域又は区間、業務の範囲

50万円以下の過料 3日間事業停止

特定荷主に対する不当な差別的取扱の禁止違反
①不当な運賃・料金の請求②特定荷主の貨物の荷受け拒否、不当な後回し等

罰則無し

3日間事業停止
又は
1日間事業停止

運輸協定の届出違反
設備の共用、連絡運輸、その他共同経営

50万円以下の過料 1日間事業停止
事業改善の命令違反 100万円以下の罰金 登録の取消し
名義貸し違反、事業の貸渡し違反等(一種) 1年以下の懲役100万円以下の罰金

12日間事業停止
又は
取消し

事業の承継届出違反 50万円以下の過料 3日間事業停止
事業の廃止届出違反 50万円以下の過料
事業の停止命令違反 半年以下の懲役50万円以下の罰金 登録の取消し

附帯業務に関する消費者対象の料金、

利用運送約款等の無掲示又は虚偽の掲示

50万円以下の過料 1日間事業停止
附帯業務に関する事業改善命令違反 100万円以下の罰金 12日間事業停止

 

第二種貨物利用運送事業関係

内容 罰則 再違反
事業計画及び集配事業計画の遵守義務違反

○法第25条第1項及び第3項の処分等の基準を適用

 

事業計画及び集配事業計画の遵守命令違反 100万円以下の罰金 許可の取消し

事業計画及び集配事業計画の変更認可違反
 利用運送機関の種類、利用運送の区域又は区間、業務の範囲
 貨物の集配の拠点、貨物の集配に係る営業所の位置
 各営業所に配置する事業用自動車の数
 自動車車庫の位置及び収容能力
 乗務員の休憩・睡眠施設の位置及び収容能力

100万円以下の罰金

6日間事業停止
又は
12日間事業停止

集配事業計画の変更事前届出違反 50万円以下の過料

1日間事業停止
又は
3日間事業停止

軽微な事業計画及び集配事業計画の変更届出違反
(利用運送機関の種類の変更に伴うものを除く。)
 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名 主たる事務所の名称及び位置
 営業所の名称及び位置
 貨物を保管する場合の保管施設の概要
 利用する実運送事業者・貨物利用運送事業者の概要
 貨物の受取委託の場合の受託者の名称・住所、代表者氏名、
 営業所の名称・位置等
 貨物の集配を行う地域 文書勧告 3日間事業停止
 貨物の集配に係る営業所の名称及び位置
  (自動車を使用して集配を行う営業所位置を除く。)
 貨物の集配委託の場合の受託者の名称・住所、代表者氏名、
 営業所の名称・位置等

50万円以下の過料

1日間事業停止
又は
3日間事業停止

利用運送約款の認可違反 100万円以下の罰金 6日間事業停止

掲示事項の無掲示又は虚偽の掲示
 第二種貨物利用運送事業者である旨、利用運送機関の種類、
 消費者対象の運賃及び料金、利用運送約款、 利用運送の区域又は区間、業務の範囲、貨物の集配の拠点

50万円以下の過料 3日間事業停止
事業改善の命令違反 100万円以下の罰金 許可の取消し
事業の譲渡・譲受又は法人の合併・分割の認可違反 3日間事業停止
事業の相続の認可違反 3日間事業停止
事業の休廃止の届出違反 1日間事業停止
事業の停止命令違反

1年以下の懲役
150万円以下の罰金

許可の取消し

特定荷主に対する不当な差別的取扱の禁止違反
①不当な運賃・料金の請求
②特定荷主の貨物の荷受け拒否、不当な後回し等

3日間事業停止
又は
1日間事業停止

運輸協定の届出違反
 設備の共用、連絡運輸、その他共同経営

50万円以下の過料 1日間事業停止
名義貸し違反、事業の貸渡し違反等(二種)

3年以下の懲役
300万円以下の罰金

60日間事業停止
又は
許可の取消し

附帯業務に関する消費者対象の料金、
利用運送約款等の無掲示又は虚偽の掲示

50万円以下の過料 1日間事業停止
附帯業務に関する事業改善命令違反 100万円以下の罰金 12日間事業停止

変更登録違反  利用運送機関の種類、利用運送の区域又は区間、業務の範囲
 代表者及び役員の国籍、役員の氏名、資本金並びに出資者の国  
 籍別及び国、公共団体又は私人の別による出資額の比率(法人)
 国籍(個人)

 

50万円以下の罰金

6日間事業停止
又は
12日間事業停止

登録事項の変更届出違反
 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名 主たる事務所その他の営業所の名称及び所在地
 事業の経営上使用する商号があるときはその商号

50万円以下の過料 1日間事業停止
運賃・料金変更命令違反 100万円以下の罰金 登録の取消し
事業の停止命令違反

半年以下の懲役
50万円以下の罰金

登録の取消し

附帯業務に関する消費者対象の料金、
利用運送約款等の無掲示又は虚偽の掲示

100万円以下の罰金 12日間事業停止

 

監査等について

貨物自動車運送事業法と同じく監査があります。
監査は、貨物利用運送事業者の不適正な事業活動を防止するため、主たる事務所その他の営業所に立ち入る等その運営が法令に則って適正かつ合理的に行われているかどうかを確認し、必要な指導等を行う。です。
以下は、監査方針の抜粋です。

監査等の区分

① 特別監査

利用者等からの苦情等を鑑みて、極めて悪質な法令違反が推定される若しくは極めて悪質な法令違反があった貨物利用運送事業者、第一当事者と推定される死亡事故及び酒酔い運転等の悪質違反を伴う事故などで社会的影響の大きい事故又は悪質違反を引き起こした貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保に対し、これを著しく阻害する等の行為を行ったおそれがある貨物利用運送事業者又は過去の監査等、行政処分の状況、利用する貨物自動車運送事業者の事故の発生状況及び都道府県公安委員会等からの通報等を勘案し、監査が必要であると認められる貨物利用運送事業者に対して、全般的な法令遵守状況について行う監査。

② 重点監査

利用者等からの苦情等を鑑みて、悪質な法令違反が推定される若しくは悪質な法令違反があった貨物利用運送事業者、貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保を著しく阻害する等の行為を行ったおそれがある貨物利用運送事業者又は過去の監査等、行政処分の状況、利用する貨物自動車運送事業者の事故の発生状況及び都道府県公安委員会等からの通報等により、監査が必要であると認められる貨物利用運送事業者に対して、重点事項を定めて行う監査。なお、特段の違反事項がない場合も、全般的な法令遵守状況等の中から重点事項を定め、重点監査を行うことができることとする。

③ 呼出し監査

上記①、②以外において、利用者等からの苦情等を鑑みて、法令違反が推定される若しくは法令違反があった貨物利用運送事業者又は都道府県公安委員会等からの通報により、輸送の安全確保を阻害する等の行為を行ったおそれがあり、監査が必要であると認められる貨物利用運送事業者に対して、呼出し監査調査表を提出させ、貨物利用運送事業者を呼び出して行う監査。

④ 呼出し指導

上記①から③までの監査を受けていない貨物利用運送事業者であって、全般的な法令遵守状況等について指導を行うことが必要と認められる貨物利用運送事業者に対して、呼出し指導調査表を提出させ、自主的に点検を行わせる指導。なお、この場合、必要に応じ集団指導を行うことができる。 

監査等の方法

① 特別監査

特別監査においては、監査対象に応じて下記ⅰ及びⅱの項目につき監査を行うものとする。

第一種貨物利用運送事業者

・登録事項及び事業の計画
・利用する運送事業者との契約
・約款の遵守状況
・主たる事務所その他の営業所における消費者向け運賃、約款等(附帯業務を含む。)の掲示義務の履行状況
・運賃または料金の収受状況及び支払状況
・事業の譲受譲渡、相続、合併・分割に係る認可申請または届出状況
・荷物事故の処理状況
・苦情に対する処理状況
・運賃及び料金の届出の状況
・諸報告の提出状況
・貨物利用運送事業法施行規則第2条第2項に規定する事項の遵守状況
・附帯業務における荷崩れの防止、従業員への指導等の措置状況

第二種貨物利用運送事業者

上記の事項のほかに集配業務に係る以下の事項
・貨物の集配の拠点
・事業用自動車の配置状況
・自動車車庫の整備状況
・休憩または睡眠施設の整備状況

② 重点監査

重点監査においては、監査対象に応じて必要な項目を選択して監査を行う。なお、特段の事故や違反等のない事業者については、帳簿等を提出させ、上記を重点項目として監査を行う。

③ 呼出し監査

呼出し監査においては、代表者及び業務担当責任者を運輸局に呼出して次に掲げる「呼出し監査調査表」及び帳票類等を提出させ、貨物利用運送事業法施行規則第2条第2項に規定する遵守状況が守られているか等について監査を行うものとする。

「呼出し監査調査表」

  ①会社の概要
  ②登録事項及び事業の計画の概要
  ③営業実績
  ④使用している運賃・料金表
  ⑤利用する実運送事業者への運賃料金支払状況
  ⑥主要取引先の状況
  ⑦荷物事故の処理状況
  ⑧苦情に対する処理状況
  ⑨運賃・料金の届出状況
  ⑩報告書の提出状況
  ⑪利用する実運送事業者との「運送契約書」及び「覚書」等書類の写し
  ⑫使用している約款
  ⑬実施している附帯業務の内容
  ⑭監査当日に出席する者の氏名(代表者及び担当責任者)
 ※呼出し監査当日に以下の書類を持参させる書類。
  ①荷主からの運賃及び料金の収受状況が明確となる資料(出入金伝票及び領収書等)
  ②最近提出事業年度の「営業報告書」及び「事業実績報告書」の控え
  ③利用する実運送事業者との費用負担の関係が明確となる資料(出入金伝票及び領収書等)

④ 呼出し指導

呼出し指導においては、代表者及び業務担当責任者を運輸局に呼出して次に掲げる「呼出し指導調査表」を提出させて行うものとする。この場合、行政側が法令遵守事項等の説明を行い、事業者はその説明に従い自主的に点検する指導方式をとる。また、呼出し指導においては、集団指導を行うことができる。

「呼出し指導調査表」

    ①会社の概要
    ②登録事項及び事業の計画の概要
    ③利用する実運送事業者の概要
    ④荷物事故の処理状況
    ⑤苦情に対する処理状況
    ⑥運賃・料金の届出状況
    ⑦報告書の提出状況
    ⑧使用している運賃・料金表
    ⑨使用している約款
    ⑩実施している附帯業務の内容

貨物利用運送事業の罰則

貨物利用運送事業の罰則を見るには

貨物利用運送事業は第一種は登録、第二種は許可となり輸送モードも複数あるためそれぞれ該当する次項を確認する必要があります。

 

鉄道、内航、外航(邦人)、外航(外国人)、国内航空(邦人)、国際航空(邦人)、国際航空(外国人)

 

罰則規程の概要

3年以下の懲役若しくは3百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第二種貨物利用運送事業の無許可営業
〃名義貸し
〃他人にその名において経営させた者
船舶運航事業者の行う国際貨物運送の第二種貨物利用運送事業の無許可営業

 

1年以下の懲役若しくは150万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

事業の停止及び許可の取消し又は貨物の集配に係る輸送の安全の規定による事業の停止の命令に違反した者は

 

1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第一種貨物利用運送事業の無登録で経営した者
〃名義貸し
〃他人にその名において経営させた者
〃登録を受けてしなければならない事項を登録を受けないでした者

 

6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

事業の停止の命令に違反した者

 

150万円以下の罰金

貨物利用運送事業であると人を誤認させないようにするための措置を執るべきことを命ずることができる命令(第二種貨物利用運送事業に係るものに限る。)に違反した者はに処する。

 

100万円以下の罰金に処する。

利用運送約款を認可を受けないで、又は認可を受けた利用運送約款によらないで、運送契約を締結した者
事業改善の命令、事業計画及び集配事業計画遵守命令、事業改善の命令、運賃又は料金の変更命令、外国人国際第二種貨物利用運送事業者の命令、規定による命令に違反した者
第二種貨物利用運送事業が無許可で事業計画又は集配事業計画を変更した者
事業報告の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
立入り検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

 

50万円以下の罰金に処する。

第一種貨物利用運送事業の変更登録等の規定に違反した者
外国人国際第一種貨物利用運送事業者〃

 

両罰規定

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第六十条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

 

50万円以下の過料に処する。

届出をせず、又は虚偽の届出をした者
事業の種別等の掲示の規定による掲示をせず、又は虚偽の掲示をした者

 

詳しくは条文を確認して下さい。
貨物利用運送事業法

対応エリア

運送業許可 対応エリア

愛知県、岐阜県、三重県、静岡県。名古屋市、北名古屋市、清須市、豊山町、稲沢市、春日井市、小牧市、一宮市、江南市、犬山市、大口町、扶桑町、岩倉市、津島市、愛西市、蟹江町、弥富市、瀬戸市、日進市、三好市の事務所近郊の尾張から、知多市、半田市、大府市、常滑市の知多方面、豊田市岡崎市、安城市、刈谷市、豊明市、西尾市、知立市の西三河から豊橋市、豊川市、田原市の東三河まで愛知県全域、岐阜県(岐阜市、大垣市、美濃加茂市、各務原市、可児市、多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市、加茂郡など西濃、東濃)、三重県(桑名市、鈴鹿市、四日市市)の東海三県。浜松市、湖西市。その他可能な限り中部運輸局管轄を対応させていただきます。

関東運輸局、近畿運輸局、広島運輸局管内の対応実績有り。

 

コンサルティング 対応エリア

全国:北海道、青森、岩手、宮城、福島、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、新潟、富山、石川、福井、滋賀、京都、大阪、奈良、三重、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、島根、鳥取、香川、愛媛、高知、徳島、福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本、佐賀、長崎、沖縄