運送業のドライバーの選任

 

運送のお仕事をする女性ドライバー 一般貨物自動車運送事業のドライバーについて解説

トラックで事業を行う上でドライバー(運転者)の基準等を解説した記事です。

 

ドライバーの選任

 
運送業のドライバーを知りたい相談者

 

緑(グリーン)ナンバーはプロドライバーですね。

 

一般貨物自動車運送業の事業者は、事業用自動車の数に応じて必要となる員数の運転者の確保が求められます。
これは、過労運転防止のため、運転者が一人で、運転から荷扱等まですべて行わないようにするため、事業計画に従い、必要な運転者を常時専任しておく必要があるためです。

 

貨物自動車運送事業輸送安全規則で専任する運転者について以下のように定められています。
日々雇入れられる者、2カ月以内の期間を定めて使用される者、試みの期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く)
この方々は、労働基準法の解雇予告の適用除外者と一部を除き同じで不安定な立場と言えるでしょう。

 

また、ドライバーとして専任する場合には、新人など特定の運転者に対しては特別な指導を実施する必要があります。
過去に経験があっても3年以上のブランクがある場合も初任運転者扱いになります。

 

なお、運行管理者は基本的にドライバーと兼務することは出来ません。

 

新たに雇い入れた者の事故歴の把握

 

常時専任する運転者を新たに雇入れた場合には、自動車安全センターが交付する無事故・無違反証明書又は運転記録証明書等により、雇入れる前の事故歴を把握し、事故惹起者に該当するか否か確認する事とされています。

 

※事故惹起者とは
①死亡または重傷事故を起こした運転者
②軽傷事故を起こし、その事故の過去3年間にもなんらかの交通事故を起こした者

 

証明書申込用紙は、警察署、交番、駐在所、及び各センター事務所に備え付けてあります。(証明書申込用紙は都道府県によって異なります。)
申込用紙に必要事項を記入し、手数料をゆうちょ銀行で振り込むか、自動車安全センターの窓口で直接お申込みします。

 

また、安全運転センターで発行する書類は、4種類あります。
無事故・無違反証明書、運転記録証明書、累積点数等証明書、運転免許経歴証明書です。

 

申込用紙サンプル(愛知)
事故歴証明

 

詳細は、自動車安全センタHPーでご確認ください。

 

運転免許

 

平成29年3月12日の改正により、運転免許は、普通自動車、中型自動車、大型自動車の3種類に加えて、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満等の自動車が新たに「準中型自動車」として新設され、これに対応する免許として「準中型免許」が新設されて4種類になりました。

 

改正前の普通免許又は中型免許を受けている方は、改正後も同じ範囲の自動車を運転することができます。(例:改正前の普通免許は、車両総重量5トン未満及び最大積載量3トン未満の限定が付された準中型免許とみなされます。)

 

つまり、平成29年3月12日を挟んで、同じ免許でも乗れる車両に違いがあるので注意が必要です。
また、準中型免許は免許取得後1年未満の場合は、初心者マークを付けなければいけません。

 

改正前

普通自動車 中型自動車 大型自動車
特例以外の中型 特例中型
車両総重量 5t未満 5t以上 8t未満 8t以上 11t未満 11t以上
最大積載量 3t未満 3t以上 5t未満 5t以上 6.5t未満 6.5t以上
免許種別 普通免許 8t限定中型免許 中型免許 大型免許

 

 

改正後

普通自動車 準中型自動車 中型自動車 大型自動車
5t限定準中型 準中型 特定以外中型 特定中型
車両重量 3.5t未満 3.5t以上5t未満 5t以上7.5t未満 7.5t以上8t未満 8t以上11t未満 11t以上
最大積載量 2未満 2t以上3t未満 3t以上4.5t未満 4.5t以上5t未満 5t以上6.5t未満 6.5t以上
免許種別 普通免許 5t限定準中型免許 準中型免許 8t限定中型免許 中型免許 大型免許

 

ただし、5t限定の準中型免許で2tトラックを運転する際、トラックの設備によっては車両総重量が5t以上の車両も多くあるため運転出来ない場合もあります。
また、準中型免許で4tトラックは、ほぼ運転出来ないため、現行法では中型免許以上が必要です。

 

 

運転適性検査

 

運送事業者は、事故惹起運転者、初任運転者、高齢運転者に対し、国土交通大臣が認定する適性診断を運転者に受診させることが義務付けらています。
「貨物自動車運送事業輸送安全規則」に規定する国土交通大臣が認定する適性診断は、(独)自動車事故対策機構をはじめ、複数の機関で実施されています。

 

適性診断の種類
一般診断 任意
初任診断 新たに採用された場合
適齢診断 65歳以上の場合
特定診断Ⅰ

死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の1年間に事故を起こしていない場合
軽傷事故を起こし、かつ、当該事故前の3年間に事故を起こしたことがある場合

特定診断Ⅱ 死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の1年間に事故を起こしている場合

 

 

ドライバーは何人必要か?

 

貨物自動車運送事業の事業計画の車両数に対して必要な運転者数は休日等を考慮する必要があります。

 

運輸局からは、事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自動車の運転者について、事業の実態が千差万別であるため、一概に統一的な基準を定めるのは困難であるが、事業計画に応じた運転者の選任について指針が出されています。

 

事業所全体に公休日がある場合

荷主の休日にあわせて営業所全体が週単位で休みを設け1人1車両を原則とする場合

 

運転者×(7日-休日) ≧ 車両数×(7日-休日数)

 

例:5車両で定休日を1日設定する場合
5人×(7日-1日) ≧ 5台×(7日-1日)
 25人/週     =   25台/週 

 

 

営業所全体が無休の場合

車両は無休で稼働し、運転者に週1日公休を与え、かつ、1人1車両を原則とする場合

 

運転者×(7日-休日)≧ 車両数×7日
          ↓
運転者数≧1.2(≒7/6)×車両数

 

例:5車両で運転者に週1日の公休を与える場合の必要人員数
6人≧1.2×5台
運転者×(7日-休日)≧ 車両数×7日
6人×(7日-1日)  ≧ 5台×7日
 36人/週     ≧   35台/週
6人以上が必要

 

実際は、夜間又は長距離運転を行うための交代運転者、年休、整備・管理のための車両の運休状況等をそれぞれの事業者の実態を十分考慮して個別に判断すること。としています。