運送業の行政処分

運送業・物流業の許認可専門家 行政書士 池山浩
運送業・物流業の許認可専門家 行政書士 池山浩

運送業物流業サポートGFAいけやま行政書士事務所

このページでは、運送事業者が法令違反をした場合の行政処分を解説しています。
ここでいう行政処分とは、いわゆる不利益処分です。
行政手続法では、不利益処分の基準にについて以下のとおり定めています。

(処分の基準)
第20条 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
2 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

具体的には、「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」で定めています。
また、監査については、「自動車運送事業等監査規則」、「自動車運送事業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く。)の監査方針について」で通達されています。

 

 

運送業の行政処分の種類

行政処分

 

うちは、ちゃんとやってるけど、行政処分について教えてください。

 

貨物自動車運送事業者に法令違反があった場合の行政処分には、軽微のものから順に、自動車その他の施設の使用禁止処分、事業の全部又は一部の停止処分許可の取消し処分となります。これに至らないものには、勧告警告があります。
行政処分は、違反点数制度がとられており、事業者ごとに、管轄区域単位で累計し、営業所を管轄する地方運輸局において管理が行われ、違反点数の累計期間は3年間となります。累計点数によって事業の停止、許可の取り消し処分になります。
また、法令違反の事由によっては、初の違反後、再度の違反があった場合に許可の取り消しとなる場合があります。

※行政指導(勧告、警告)は、行政処分ではありません。

 

一発事業停止処分

1項目ごとに30日が加算される
ただし、⑤に該当したことに伴って②に該当する場合は合わせて30日

  1. 乗務時間の基準に著しく違反した
  2. 全運転者に対して点呼をまったく実施していない
  3. 営業所に配置している全ての事業用自動車について、定期点検整備をまったく実施していない
  4. 整備管理者を選任していない
  5. 運行管理者をまったく選任していない
  6. 名義を他人に使用させていた
  7. 事業の貸渡しを行っていた
  8. 監査の拒否、忌避、妨げ、陳述の拒否、虚偽の陳述のいずれかを行った

主な再違反による許可の取り消し処分となる違反

  • 事業計画に従うべき命令違反。
  • 整備管理者選任なし。
  • 全ての車両の定期点検を全く実施していない。
  • 運行管理者が全く存在しない。
  • 輸送の安全確保の命令違反。
  • 公衆の利便阻害行為等の停止命令違反。
  • 事業改善命令違反。
  • 名義貸し、事業の貸し渡し等の違反。
  • 運輸開始期限違反。
  • 検査拒否等の違反。
  • 勤務時間及び乗務時間の基準が著しく遵守されていない。
  • 点呼を全く実施していない。

運輸局の監査

行政処分が行われるのは、運輸局による監査です。
監査は、運行管理者や整備管理者を全く選任していない、点呼を全く実施していない等、輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反のある事業者を優先的に対象にするほか、過去の監査、行政処分の状況、利用者からの苦情を踏まえ、事故の未然防止及び法令順守の徹底を図ることを目的として、効果的に実施すると通達されています。

 

また、監査の種類には、特別監査一般監査街頭監査があります。

 

特別監査は、引き起こした事故又は疑いのある法令違反が重大であり、厳格な対応が必要と認められる事業者に対して、全般的な法令遵守状況を確認する監査です。

 

監査対象事業者

  • 運転者が第一当事者と推定される死亡事故を引き起こした場合
  • (「第1当事者」とは、最初に交通事故に関与した車両等(列車を含む。)の運転者又は歩行者のうち、当該交通事故における過失が重い者をいい、また過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者をいう。)
  • 運転者が悪質違反(酒酔い運転、酒気帯び運転、過労運転、薬物等使用運転、無免許運転、無資格運転、無車検運行、無保険運行及び救護義務違反(ひき逃げ)をいう。)を引き起こした又は引き起こしたと疑われる場合
  • 行政処分等を受けた際に事業の改善状況の報告を命じられた事業者であって、報告のための出頭を拒否したもの、改善報告を行わないもの又は報告内容から事業が改善されたと認められない場合
  • 適正化事業実施機関が行う巡回指導を拒否した場合
  • 都道府県公安委員会、都道府県労働局道路管理者等からの通知又は通報により、法令違反の疑いがある場合
  • 労働関係行政機関又は日本年金機構から、労働者災害補償保険、雇用保険、健康保険又は厚生年金保険に加入していない旨の通報があった場合
  • 労働関係行政機関から、最低賃金法に違反している旨の通報があった場合
  • 自動車事故報告の「事故の原因」及び「事故の種類の区分」が同一であるものを3年間に3回以上引き起こした場合
  • 事故報告書事業報告書及び事業実績報告書等期限までに提出しなかった、報告書等に虚偽の内容を記載した疑いがある、報告書等に記載された内容に法令違反の疑いがある場合
  • ホイール・ボルトの折損による車輪脱落事故又は整備不良に起因すると認められる死傷事故を引き起こした場合
  • 長期間、監査を実施していない場合(適正化事業実施機関による巡回指導があった事業者及び全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が行う安全性評価事業による安全性優良事業所に認定されている事業者を除くことができる。)
  • 貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保義務違反が認められた場合であって、当該違反への関与が疑われる元請事業者
  • 貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保義務違反について、元請事業者に対する下請事業者等からの苦情等により、監査を行うことが必要と認められる元請事業者及び下請事業者
  • 管理の受委託の許可を受けた事業者であって、受託者に法令違反の疑いがある委託者
  • 行政処分等を受けた際に、事業の改善状況の報告を命じられた場合
  • その他事故、法令違反、事件、苦情等の状況を勘案し、監査を行うことが必要と認められる場合

 

年間で監査対象となる事業者は6,000社前後です。
すべてが処分されるわけではなく違反があった場合に行政処分が行われます。

 

監査の重点項目

  • 事業計画の遵守状況
  • 損害賠償責任保険の加入状況
  • 自家用自動車の利用、名義貸し行為の有無
  • 社会保険等の加入状況
  • 賃金の支払い状況
  • 運行管理の実施状況
  • 整備管理の実施状況

 

 

 

 

車庫飛ばし

グリーンナンバーは、車庫から出発し車庫に戻ることが原則です。
出発前の点呼、業務終了時の対面点呼が義務付けられており、車両の日常点検も同様に義務となっています。
例外として、対面点呼が出来ない場合も運行指示書や中間点呼などが義務となっています。

 

では、自宅に直帰は認められるのか?
残念ながら、認められません。しかも車庫飛ばしとして、行政処分されるリスクが多分にあります。

 

どんな場合にバレるのか?
それは、グリーンナンバーは看板を背負った事業用トラックです。
同業者だけでなく、一般の方も、そうした目線で見ています。

 

適正化実施機関や警察、運輸局など監督行政に通報されることもあるでしょう。

 

なお、監査による行政処分の公表でも無認可車庫による違反が多く見られます。
何もなければバレないだろうは、大変リスクが高いことです。

 

無許可車庫の行政処分日数は、10日車と軽く思われますが、点呼記録・日報の改ざん不実記載に繋がり60日車となることも。

行政機関への処分等の求め

行政に対する一般法として行政手続法があります。
その中には、行政機関への処分等の求めについて規程させています。
これにより、処分等の求め(通報)があった際は、行政機関は必ず対応しなければなりません。
普段は事なかれ主義と思えることもありますが、行政は法に従わなければならない。
貨物自動車運送事業法では地方適正化実施機関に対しても苦情処理の対応について規程があります。

 

行政手続法

第三十六条の三 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。

 

その結果、監査等が入る可能性は非常に高くなります。

その他、公安委員会労働局から運輸局への情報提供制度があります。

あおり運転刑罰化

令和2年6月30日付けの道路交通法一部改正により、妨害運転(あおり運転)に対する罰則が施行されました。

 

妨害目的で、急ブレーキ禁止違反、車間距離不保持等の違反に対して最大3年の懲役又は50万円以下罰金
また、著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で5年の刑又は100万円以下の罰金

 

それを受けて国土交通省では、監査方針の対象に悪質な妨害運転を加え、行政処分の基準に事業停止処分が追加されています。

 

運転者があおり運転をした場合3日間
あおり運転による重大事故を起こした場合7日間

 

運送業行政処分のまとめ

このカテゴリーでは紹介しきれないため、貨物自動車運送事業法、道路交通法、労働基準法、道路法など関連する行政処分や罰則を解説したリンクページをまとめています。詳しく知りたい方はリンクからご確認下さい。

 

トラック運送業の監査・行政処分について
トラック運送業の車両停止処分
運送業の道路交通法違反関係
運送業の労働基準監督署臨検関係
運送業のコンプラチェック
貨物利用運送事業の行政処分・監査
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関東運輸局、近畿運輸局、広島運輸局管内の対応実績有り。

 

コンサルティング 対応エリア

全国:北海道、青森、岩手、宮城、福島、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、新潟、富山、石川、福井、滋賀、京都、大阪、奈良、三重、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、島根、鳥取、香川、愛媛、高知、徳島、福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本、佐賀、長崎、沖縄